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日本紅茶の歴史も学べる、紅茶作り体験!

いつの日かイギリスに行って、優雅にアフタヌーンティーを楽しみたいと思っているライターきゅうです。

紅茶ってスリランカやインド、ケニアなど国外からの輸入品のイメージが強いですが
静岡県内にも歴史ある紅茶を生産している場所があり、何と!紅茶作りの体験も出来ると聞き
静岡市駿河区丸子(まりこ)にある『丸子ティーファクトリー』へやってきました。

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水車と看板が目印

ここ丸子は日本紅茶の発祥の地とも言われています。風情がありますね。何だかワクワクしてきました。

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茶葉の干し具合は長年の勘がたより

この奥で作るのですか?と歩みを進めていくと・・・大量の茶葉が。

今回使用する茶葉は紅茶には最適な「べにふうき」。有機・無農薬のものを使用します。
時期によって「紅ひかり」や「本山」という茶葉でも作られています。

製茶する前日に刈り取り、茶葉を静止状態に保ち、下から風を送って一晩日陰干します。(上写真)

この作業を上手くやらないと、香りの良い紅茶にならないそうです。
40%程度、水分を除きます。

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茶葉を集めています。手早くしないといけません←笑ってないで作業しましょう

ここからが体験の始まり。村松二六さんと村松勝美さんのダブル村松先生に指導いただきます。
まず茶葉を集め、茶葉をこぼさないように注意して揉捻機に入れます。

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村松勝美さんお願いします

背の低い私。茶葉を揉捻機(じゅうねんき)に入れようとしてもちょっと届かず、ボロボロ。本当にごめんなさい。
村松さんの所まで運んで、入れ込むのはお願いしました。

体験になっていない気もしますが・・・後は村松さんにお任せします。

揉み具合は村松さんが揉捻機から目を離さず管理。
揉みの工程が揉捻機で行われます。揉むことにより茶葉に傷を付け、酵素を出して発酵を促します。
気温により揉む時間は異なりますが、揉むほどに茶葉の香りが変化します。
この日は50分程揉みました。

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揉捻機から出てきた茶葉

茶葉がクルクルと丸まっています。まだ葉の緑色が残っていますが、少し茶色に変化してきましたよ。

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揉捻機から出た茶葉を今度は水乾機へ

ここからは村松二六さんに教えてもらいます。

乾機の中の温度30℃、湿度は90%。紅茶の製造工程の特徴である発酵を進めるものです。
60分~90分程入れておくと、徐々に紅茶の香りが立ちのぼります。

この機械、二六さんが特許を取得した、ここにしかない機械です!

茶葉が水乾機に入っている時間が60分程あるので、待っている間に
二六さんが丸子紅茶の歴史を教えてくれることになりました。

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多田元吉(ただもときち)の碑

二六さんが連れて行ってくれたのは、丸子の地に紅茶作りを根付かせた、多田元吉の碑がある場所。

明治時代には茶が生糸ととも日本の外貨獲得のための重要な産業だったので、
多田元吉は1869年(明治2年)、静岡市の丸子に移住し広大な茶園を開きました。

この功績を認められ元吉は役人に抜擢されます。

そして政府より命を受け、紅茶製造の技術を習得するため
1875~1877年(明治8年~10年)にかけて中国、インドのダージリン、アッサムなどを巡ります。
帰国後は、紅茶製造の技術を、ここ丸子をはじめ日本全国に広めました。

第二次世界大戦後、1971年(昭和46)年6月には紅茶の輸入自由化が行われた後は、
安い海外産の紅茶が入ってくるようになったため、
国産紅茶は、残念なことに一部の地場消費用に生産される程度となってしまいました。

そんな多田元吉がもたらした歴史ある国産紅茶を何とか復活させようと、
二六さんは国内の試験場や大学を訪れ指導を受けたり、
インドやスリランカ、中国に何度も足を運び、紅茶作りの技術を習得。
紅茶品種の紅富貴(べにふうき)を、民間で初めて栽培したのも二六さんです。

今では、全国の紅茶生産者が二六さんの紅茶作りの技術を学ぼうと、この体験場を訪れます。

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日本紅茶の原木は背の高い木

丸子紅茶の歴史を教えてもらうことで、これから出来上がってくる紅茶が数段楽しみになってきました!

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茶葉を移して中揉機(ちゅうじゅうき)で乾燥

歴史を教えてもらい戻ってくると、ちょうど茶葉が水乾機から出てきました。
ほんのり温かい発酵の進んだ茶葉を、急いで中揉機に入れ乾燥させます。

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中揉機は二六さんが改造を施した「二六仕様」

75℃からはじめ、最後は90℃以上で乾燥させます。
90℃以上で乾燥させると香り高く、奥深い味に仕上がるのだそう。

茶葉を焦がしてしまう危険があるので、他の人はやらないそうですが、二六さんには出来るのです。
皆さん『二六マジック』と呼んでいるんですって!!

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乾燥完了!

乾燥が完了に近づくと、工房内に紅茶の香りが充満してきます。
イイ香り~!この後、茶葉を細かくカットして完成です。

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完成!!

やったー!完成です。どんな味がするのか本当に楽しみです。

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出来上がった紅茶の香りを存分に堪能しています

今までに経験したことのない、高貴で華やかな香り。
体中が紅茶に覆われている気分。幸せ~!

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画面から香りが伝わっていますか(無理?)

二六さんの奥様が、出来上がったばかりの紅茶を淹れてくれました。
「茶葉は1人分2g。ちゃんと量ってね。お湯は人数分カップで量って。沸騰したお湯を入れて3分ね。」
ハ~イ。大雑把な私ですが、きちんと量る事を心がけます。

ルビーのように照りのある美しい色が印象的。

華やかな香りと、深いコクに変わっていく渋みのバランスに驚きました。

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香りがミルクに負けていません!

ミルクティーも出してもらいました。こちらも絶妙!
濃い目に紅茶を淹れ、砂糖もたっぷりめに。濃いミルクにもマッチする丸子紅茶の味はやみつきになりそうです。

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村松二六さんと奥様の時枝さん

日本の紅茶づくりでは先駆者の二六さん。
磨きぬかれた技術を学ぼうと、全国から勉強に来る人たちも多い。
そんな人達へ、技術の伝授も行なっています。

「丸子紅茶をもっと皆さんに知ってほしい。そしてきちんとした日本の紅茶を作る人を育てていきたい。」と二六さん。

「丸子ティーファクトリー」の紅茶作りを体験すると、いつも飲む紅茶がひと味もふた味も違ってきます。
紅茶の製造方法を知らなかった私にとって、この体験はとても興味深いものでした。
いくつもの工程を経て出来上がる茶葉は情熱の賜物。

落ち着いた気持ちで丁寧に、美味しい紅茶、家でも淹れてみます!

 

 

※この記事は2013年7月に公開しました

『丸子ティーファクトリー』
所在地:静岡市駿河区丸子6775

大きな地図で見る
TEL:054-259-3798
定休日:なし
営業時間:9:00~18:00
5人以上であれば紅茶作り体験ができます

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