メダカの学校は川の中~♫
と幼い頃歌っていましたが、最近川を覗いてもメダカが泳いでいる姿を見ることがない!
そう言えば、小学校の頃飼ったメダカはペットショップで購入した覚えが・・・メダカはいったいどこに?
幼い頃、身近な小川や水田にいた生き物たちの事を詳しく知りたくなり
常葉大学富士キャンパスに山田辰美教授を訪ねました。
山田教授の専門は応用生態学。お聞きするとメダカに限らず
タイコウチ(タガメの仲間)、ホタルなども静岡県内では生息数が少なくなっているそうです。
普通に川で見られるのは、本当にごく一部なんだとか。
山田教授はそんな生き物たちを増やして元の生息域に返し、
昔あった自然の姿に戻していく試みを、学生と共に行っています。
この日はちょうど自然環境ゼミの日。私も学生たちとい一緒にゼミを受講しました。
あまりに久しぶりの授業で、ドキドキのライターきゅう。
山田教授の授業は身振り手振りを交えて、生き物の生態をわかりやすく面白く説明してくれます。
そして何より、生き物がそばにいる授業ってすごく癒されます。
研究室の生き物たちを見せてもらいました。
メダカが富士地区で姿を消していっている理由は、気温の上昇、土地の改良事業、工場や生活排水の温排水など。
また、カダヤシという、外見はメダカにそっくりな南国系の魚を放流した事も原因のひとつだと考えられています。
今育てているメダカは、富士市の浮島地区から採取。
卵が産まれたら大事にすくい取り、別の水槽に移して育てます。
来年までに300~500匹程に増やし、元の生息域に戻す予定です。
遺伝子汚染を防ぐために、水系範囲に戻すのが条件です。
自然の中で育つのであれば、産まれた川から他の川にメダカが動くことはないですものね。
タイコウチやホタルも元のフィールドに戻すのが鉄則です。
生物実験室のベランダにあるメダカの水槽
青水で満たされた養分たっぷりな水槽に、卵が入っています。
水草を入れて卵がかえりやすいように環境を整えてあります。もっともっと、水槽を増やしていく予定です。
※青水・・・植物プランクトンと動物性プランクトンが増殖したエサ不要、水換え不要の理想的な循環の出来上った水
すばしっこくて、なかなか上手く写真に収められませんでした。
この元気な親メダカたちから産まれた子メダカたちが、富士の川や水田地帯に泳ぐのが楽しみです。
タイコウチは、富士市では2ヶ所でしか見られなくなってしまった生き物。
研究で育てられているタイコウチは富士市南松野地区採取され、250個ほどの卵が産まれました。
区切られた1つ1つの箱に、卵からかえったタイコウチの赤ちゃんが入ってます。
全てにエサを与えたり、体調などを見ながら管理しているんですよ。
まさに清水さんはタイコウチのお母さん?!
タイコウチの母子手帳?
産まれた日や脱皮の状態などのデータが書かれ、清水さんのタイコウチへの愛を感じます。
コレがタイコウチです
見たことありますか?私は初めての対面です。
5回脱皮してやっと成虫。写真のタイコウチは3回目の脱皮をしたところ。まだまだ大きくなるんですよ。
これからは脱走に気をつけなくてはいけないそうです。目が離せませんね。清水ママ頑張って!
ホタル小屋と呼ばれている施設も見学しました。
ここは、ビオトープ(生き物がありのままに生息する場所)として造られていて小川も流れています。
小さな自然の環境が構成されていて、メダカも泳いでいました!
この日は見ることができませんでしたが、ホタルも放たれています。ホタル鑑賞会も行われるそうです。
ゼミの研究室で育てたホタルを松崎町の棚田に100匹放ったところ、今年は10匹~30匹ほどが観測出来たそう。
松崎町だけでなく、富士宮市のイオンモール富士宮にはオープン当初(2001年)からビオトープが造られ、
山田教授やゼミの学生も協力してホタルを放つ試みを行なっているそうです。
学生のみなさんは何より、生き物が大好き!
山田教授の授業は人間の自然との関わり方を考え、生き物への敬意を忘れず
そして全ての生き物へ向けられる愛を感じるものでした。
ゼミの学生の皆さんも、その考えをよく理解し、自然との関わりを通じ研究だけでなく
山田教授が行っている「里の楽校」での子どもの自然体験の指導やビオトープ造りなど
様々な活動に生かしているようでした。
このゼミの活動が広がり、川や田んぼにメダカやタイコウチが日常に見られる日も近いかもしれません。
私も微力ながら応援していきたいと思います!
※この記事は2013年8月に公開しました
『常葉大学 富士キャンパス 』
所在地:富士市大渕325
TEL:0545-37-2080(代表)
URL:www.tokoha-u.ac.jp/