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買い物と一緒に店主の歴史語りを(後編) 

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2000年以上の歴史があると言われている静岡浅間神社(しずおかせんげんじんじゃ)。
敷地内にある7つの神社に残されている文献が多すぎて、一節によればもっと古い歴史があるとも言われている。
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そんな歴史ロマン溢れる静岡市葵区『静岡浅間通り商店街』の歴史を、私ライターいなが、
買い物と一緒に店主の歴史語りを (前編)』に引き続き、店主のお話を聞きながら探って行きます。
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▲創業はなんと明治4年(1871年)
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『葵煎餅本家』の海野社長に紹介された、『フルーツショップ森友』へやってきました。
海野社長の話では、商店街一古い写真を見る事が出来るとか。
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▲フルーツショップ森友:森本さん
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写真だけでは無く、昔のカメラなどがたくさん残っています。
若い頃は全然興味が湧かなかったそうなのですが、ある時「こういうものは大事に残さなきゃいけないんじゃないか?」
と思い、暇を見つけては整理しているそうです。
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▲写真などのスクラップを見せてもらいました
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「1871年創業という事ですが、最初からフルーツショップだったんですか?」と聞いてみると
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「私のひいじいさん、二代目主人の友次郎がアイディアマンで、色んな事業をしていたみたいなんです。
みたいというのは、じいさんや父から聞いた情報しかなくて、知っている人が亡くなってしまって、
証明するものもなくなってしまったからなんです。創業当時からフルーツショップだったかというのも、わかりません。
それでもなんとか昔の記録を残したくて、残っていた写真をパソコンに取り込んで残しているんですよ。」
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と、スクラップの写真を指さしながら話してくれます。
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昭和24年11月、写真奥和服の男性が二代目主人 森本友次郎さん(写真提供:フルーツショップ森友)
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見せてもらった写真の中でも、特に印象深いのがこちら。
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「写真を撮るというのが、とても貴重で機会の少なかった終戦直後に撮られたもののようです。
当時の写真はどれもみんな正装をして、改まってカメラに顔を向けたものが多いのですが、
これほど表情豊かなスナップ写真は昭和20年代としてはきわめて稀と評価されたこともあります。
この写真を見ると、終戦直後には少なくとも果物店だったようですね。」
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古い写真といえば、カメラ目線の改まった写真が多いイメージですが、いまひとつピンとこない。
そんな私を察したのか、
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「きっと写真屋さんに頼んで撮影したのではこんなスナップは撮れなかったでしょうね。
撮影者は私の父だと思います。終戦直後ですからカメラはとても高価なもの、それを生業(なりわい)
としていない一個人がカメラを所有していたという事は、当時それほどにフルーツの販売が成功したのでしょうね。」
と話してくれました。
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なるほど、一枚の写真からそういう風に当時の情景を読み取れるんですね。
物資が少なかった当時を思えば、商品の物量も多いですね。
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▲「芭蕉(ばなな)はブクでさえ儲かった」
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芭蕉とはバナナのこと。当時はバナナの事を漢字で芭蕉と表記していました。
ブクとは皮が果肉から離れ、気泡のようになってしまう状態を指すそうです。
そんな状態でも需要が高く、地元では「(当時)森友青果店」を「バナナ屋」と呼ぶ人もいたそう。
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それに習ってか、フルーツショップ森友では今でも台湾産のバナナに限り、
「台湾芭蕉(たいわんばなな)」と表記しています。
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森本さんがスクラップしている写真はその他にも浅間通り商店街の写真、浅間神社の写真など
貴重なものがたくさんあります。
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こういった話は、商店街の店主たちが語り部になり、商店街の歴史を紹介してくれる
浅間通り歴史探訪ツアー“ぶら門前”ツアー』でも話してくれるそうです。
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▲本日のシメは文久3年(1863年)創業 安本酒醤油店
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森本さんにもう一件行ってみたいと伝えると「あそこも話好きだし、うちよりも老舗だから面白いと思いますよ。」
と紹介してもらったのは『安本酒醤油店』。
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▲安本酒醤油店:安本さん
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元は酒と醤油の醸造をしていた酒屋なのですが、現在では蔵を閉じ販売のみ。
安本さん、今日のシメお願いします。
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▲創業150年、写真は創始者がここの土地を購入した際の証文の写し
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文久三年と聞くと、もはや想像もつかない…というより教科書でしか聞いたことのないような時代です。
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▲酒粕、奈良漬、佃煮が人気
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写真のようなパック惣菜もありますが、一番の人気商品は酒粕。
甘酒で飲むしか使い方を知らない方には、粕漬けの作り方や味噌汁にいれたり、
アイスクリームに混ぜたりと、簡単レシピを手作りしてサンプルとして差し上げているそうです。
その中でも「わさび漬け」は酒粕で作ることを知らない方もいるそう。
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そんなことを話している間も、お店には地元のお客さんが買い物がてら世間話をしにやってきます。
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▲ちょっとカメラの向きを変えるとなぜかギャラリーが
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「こういう小物や絵なんかもお客さんとの話のきっかけになるんです。
スーパーやデパートと違って、買い物をするだけじゃなくて、地域のコミュニティでもあるんです。」
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買い物をしながら人の温かみを感じてもらえるようなお店作りこそが、150年お店を続ける秘訣なのでしょうか。
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▲150年記念に販売開始した『治郎吉ゆめ』(525円)
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「創業150年の記念にこんなものを作りました。」
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と安本さんが見せてくれたのは、
創業者の治郎吉(じろきち)さんと、その奥さんの「ゆめ」さんから名前をとったという、純米吟醸酒『治郎吉ゆめ』。
口当たりのいいスッキリとまろやかな飲み口、日本酒が少し苦手な私でも、素直に美味しいと感じるお酒です。
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あまりの美味しさに迷わず購入。
150年の歴史に思いを巡らせながら、ゆっくり頂こうと思います。
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などと言っている間にタイムアップ。
もう帰らなきゃいけない時間だ。
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▲1日じゃ到底まわりきれない
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創業300年以上のそば屋とか、一枚の木を曲げて作る江戸びつが山積みになった金物屋とか。
店主さんたちには色々紹介してもらいましたが、楽しい時間はあっという間に時間が過ぎてしまいます。
静岡県の事をもっと深く知るチャンス、もっと話を聞きたい、帰りたくない。

今日一日で浅間通り商店街のファンになってしまいました。
絶対また来るんだからネ!
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※次回静岡浅間通り商店街ぶら門前ツアーは2013年9月28日(土)開催予定です。
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※この記事は2013年8月に公開しました
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静岡浅間通り商店街 振興組合』 (ツアーの問合先)
所在地:静岡市葵区馬場町87-1
TEL:054-253-0721
URL:http://www.siz-sba.or.jp/sengen/
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フルーツショップ森友
所在地:静岡市葵区宮ヶ崎町95
TEL:054-252-0098
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日
URL:http://blogs.dion.ne.jp/moritomo/
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安本酒醤油店
所在地:静岡市葵区宮ヶ崎町63
TEL:054-245-0722
営業時間:9:00~20:00
定休日:日曜日
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より大きな地図で 買い物と一緒に店主の歴史語りを(後編) を表示
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夢門前ぶらりあんのブログ
URL:http://burari15.eshizuoka.jp/
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