プラモデル。それは男の子の永遠のロマン。
女性でもプラモデルに興味をもってひとつくらい作ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
,
三十路を過ぎても子ども心を忘れない私ライターいなも、プラモデルに熱中した一人。
,
静岡県は日本で随一のプラモデル大国でもあります。
ちょっと驚くようなモチーフのプラモデルを生産しているメーカーが静岡市葵区にあると知り、
さっそく行動開始。
,
▲私が小学生の頃とロゴが違う!
,
やって来たのは、国道1号線の千代田上土ICを降りてすぐの流通センター内にある『(株)青島文化教材社』。
プラモデラーのみなさんには「アオシマ」の愛称で親しまれているメーカーです。
,
▲管理部 総務/広報:堀井 康吉(やすよし) さん
,
ご自身もプラモデルが好きで、この仕事に就いたという堀井さんにお話しを伺います。
堀井さんよろしくお願いします。
,
▲うおおお!これは燃える!
,
案内された応接室には、資料のプラモデルがいっぱい。
ロボット、自動車、飛行機、トラック野郎、ジオラマなどなど。
,
▲木製の模型飛行機。ちゃんと飛ぶよ
,
模型メーカー「青島文化教材社」誕生のきっかけとなった模型飛行機。
当時はかなり高価なもので、子ども達の憧れの的だったといいます。
,
▲創業者:故・青嶋 次郎さん
,
青嶋 次郎さんは静岡県初の民間飛行機パイロットで、大正15年(1926年)に、
職業としてパイロットを続けられなくなっても、空への想いを諦めきれず、
昭和7年(1932年)に動力式模型飛行機の販売を始めます。
,
その後、模型飛行機が学校教材に指定され、昭和36年(1961年)にプラモデルの開発・販売を開始しました。
,
▲青嶋次郎さんが静岡市の空を飛んだ本物のパーツ
,
静岡ホビースクエアに展示中の、飛行機『静岡号』のパーツです。
,
プロペラって木製だったのか。
模型メーカーの原点が本物の飛行機にあったなんて知らなかったなぁ。なんだか壮大な話です。
,
▲トラック野郎に人工衛星に…まぐろ漁船!?
,
初めて買ったプラモデルが青島文化教材社のトラック野郎だったという話をすると、
,
「それは他社さんの製品ですね(笑)」と堀井さん。
,
「ええ!?それは失礼しました。」と慌てると、返ってきた反応は意外なものでした。
,
「いえいえ(笑)、実はお客様からも良く問い合せがあるんです。
何故かトラック野郎のプラモデルはうちの商品だというイメージが強いらしくて。
青島文化教材社のトラック野郎はごく最近、版権を取得して、取材に行き完全に新規で設計し直したものなんです。」
,
ノーマルのトラックじゃなく特徴あるトラック野郎というのが、トラック野郎=アオシマと誤認する理由なのでしょうか。
それだけ青島文化教材社の製品は個性豊だということかもしれません。
,
▲資料室は宝の山!
,
普段外部の方を通すことはあまりないという資料室を、見せてもらえることになりました。
,
▲団地や駐車場なんて需要があるのかな?
,
実は鉄道模型のユーザーさんから作って欲しいという要望があって製作したというジオラマ用プラモデル。
150分の1という寸法も鉄道模型と同じなんだそうです。
,
※ジオラマ – 展示物とその周辺環境・拝啓を立体的に表現する方法で、情景模型と呼ばれ、
模型をより効果的に見せる手段として一般的な展示方法。
,
▲戦艦 長門のリメイクされたパッケージのイラスト
,
保管されている原画。近年プラモデルのパッケージのイラストもデジタルCGが増えて来たそうですが、
青島文化教材社のパッケージイラストはいまだに手描きが多いそうです。
,
プラモデルのパッケージってすごく大事だと思うんです。
完成形は組み立て終わるまでわからない。
だからこそ、『こういう風に作りたい』と思わせる魅力があるイラストが必要なんです。
,
▲企画開発部:久保田さん
,
「そう言えば2013年の静岡ホビーショーでは『艦隊これくしょん(実在した軍艦を美少女化したパソコン用ゲーム)』
とのコラボが話題になっていましたね。」
,
との話題に堀井さんが呼んでくれたのは、艦隊これくしょんを担当する久保田さん。
,
▲青島文化教材社はプラモデルだけじゃない!
,
Tシャツや抱き枕カバー、スウィングマスコットなどたくさんのグッズが
,
「軍艦のどこをどうしたら、こういうデザインになるんだろう…。」
と恥ずかしながら、元ネタが良くわからない私。
,
「そうですよねぇ、広報の仕事をしていますが、実は私もよくわかっていません(笑)
勉強のためにと私も艦隊これくしょんを始めてみようと思ったんですが、
新規登録が出来ないほどユーザーが殺到しているそうですよ。」と堀井さん。
,
▲ん?久保田さんが組み立てているのはなんだろう?
,
そんな話をしていると、久保田さんが何かを組み立てています。
キャラクターフィギュアかな?
,
▲駆逐艦(くちくかん) 雪風のプリペイント(塗装済み)フィギュアの原型
,
静岡ホビーショーで展示された原型からさらにディテールアップ(細部をより細かく造形しなおすこと)した最終型。
実際には、塗装済みでの販売になるそうです。
,
駆逐艦の面影として帽子が艦橋、リュックやバッグが砲台に、ヘッドセットマイクが伝声管で、
靴のヒールが舵になっているんですね。考えた人の想像力…すごいなぁ。
,
懐かしのプラモデルから始まって現代ホビーの多様性に驚かされました。
これを期にまたプラモデルを作ってみようかなぁ。
選ぶとしたら、やっぱりスーパーカーかな。いやいや、軍艦も捨てがたい。
何を買おうか悩むのプラモデルの楽しみのひとつです。
,
,
,
、※この記事は2013年11月に公開しました
,
『(株)青島文化教材社』
所在地:静岡市葵区流通センター12番3号
TEL:054-263-2400
URL:http://www.aoshima-bk.co.jp/
大きな地図で見る
,
↧
空を翔る男が作ったプラモデルメーカー 青島文化教材社
↧