子どもの頃、夏休みは友達と毎日朝早くから日が暮れるまで海で遊んでいました。
水遊び大好き!ライターゆっきぃです。
特にお気に入りだったのが沼津市戸田(へだ)の御浜(みはま)海水浴場です。
海に浮かんでるんですよ!ビックリするものが。
海に気持ちよさそうに浮かんでいる「戸田のネッシー」(勝手に命名)
このすべり台で青春時代を過ごしたと言っても過言ではない!?
この御浜(みはま)海水浴場のすぐそばに、ひときわ活気に溢れている場所があります。
今回の目的地『戸田塩の会(へだしおのかい)』にやってきました。
ここでは戸田に住むお母さん達が塩を作っています。
戸田塩って一体どんな塩だろう?どんな風に作られているんだ?
「塩は人間の命に無くてはならないもの。本物の塩を作りたい一心で、日本一を目指して頑張っています。」
と菰田さん。
戸田には約1,500年前から塩作りの歴史があり、安康天皇(あんこうてんのう)(400~456年頃)の病気の治療の為に
塩が献上されていたとの記録が残っているそうです。
「戸田ならではのもので町おこしをしたい」と、地元女性の有志で塩を復活させるべく
平成7年に「戸田塩の会」が結成されました。
ところが、塩作りに関する文献は残っておらず、地元の長老に話を聞いたり、
全国へ塩作りを学びに行ったり試行錯誤を重ねながら4年の歳月をかけ、辿り着いたのが、
海水を釜で炊いて塩を採るという古代からの伝統的な方法でした。
さっそく作業小屋の中へ入ると長方形の平釜が・・・
この釜は塩焚き釜といって、中に入っているのは300ℓの海水です。
海水は、船にタンクを積み、駿河湾沖1kmの黒潮の本流、水深15mから汲み上げています。
使用する薪は、地元の間伐材や流木を使用しています。
なんと1日に軽トラック2台分もの薪を使うのだとか。
釜からは白い湯気がモクモクと上がっています。
海水を13~15時間、沸騰させ続けます。
熱気で早くもバテ気味の私。「熱くないんですか?」と聞くと、
「気持ちいい熱さだね。とっても心地いいよ。」と大橋さん。
2人が手に持っている道具は、「すくい網」です。
お母さん達の中では「すくうの」と呼ばれていました。
このすくい網で、煮詰めてできた塩を手作業ですくい上げていきます。
お母さん達から、「やってみる?」の一言。
待ってましたー!塩すくいをやってみたくてうずうずしていたところです。
しずふぁん!!ライターとして、これは体験せねば!
奥から手前に向かって釜底を這わせるようにすくい網を動かします。
すると・・・・
お母さん達はすくい網を両手に持ち、慣れた手つきでこんもりとたくさんの塩をすくいあげていました。
すくった塩をザルに入れて、ゆっくりと水分をきります。
出来たてアツアツの塩を食べたのって初めてだな~。
ちょっぴり苦味もあって大人の味だよ。
苦味は、ゆっくり水を切りながらミュージックシャワーを聴かせ、熟成させることによりまろやかな味になるのです。
「塩にも人間と同じで心があるからね。」と菰田さん。
クラシック音楽を流しながら塩を寝かせているそうです。
1日の作業でできるのは、約600ℓの海水から採れるわずか14㎏程の塩。
200gパックにすると70個。とっても貴重な塩なのです。
甘いスイカに戸田塩をたっぷりかけていただきます。
そんなにかけたらしょっぱいのでは?
意外や意外!スイカの甘さがグンと引き立ちます。
「他にも、イチゴにもつけて食べるとおいしいよ。」とお母さん達。
イチゴの季節になったら試してみよっと。
平成20年10月に戸田塩を使った町おこしが評価され、戸田塩の会は農林水産大臣賞を受賞。
平成23年11月には、オーライニッポン大賞を受賞しました。
他にも数々の賞を受賞しています。
手間暇かけて作られている戸田塩には、お母さん達の愛と自然の恵みがたっぷりとつまっています。
「ここはね、富士山大好き人間の集まりだよ。」と皆さん笑顔。
晴れた日には富士山がキレイに見えるそうですよ。
「この塩がきっかけで戸田に来てくれる人が増えればいいね。」とにっこり笑う菰田さん。
おにぎりに戸田塩をパラパラっとかけて食べちゃいました。
駿河湾を眺めながら食べる戸田塩おにぎり。とっても贅沢。
お母さん達が炊き立てのごはんに混ぜるのもオススメって言ってたな。
海の恵みに感謝!元気モリモリになったゆっきぃなのでした。
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、※この記事は2013年9月に公開しました
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『NPO法人 戸田塩の会』
所在地 静岡県沼津市戸田3705-4
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TEL 0558-94-5138
営業時間 8:00~16:00
定休日 毎週水曜日、荒天および強風時
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