三嶋大社では12月31日に師走大祓式(しわすのおおはらえしき)が行われる。
半年ごとに祓い清め、清らかな姿に立ち返らんとする神事で、日本古来からの伝統行事。
それぞれ、夏越大祓(なごしのおおはらえ)、師走大祓(しわすのおおはらえ)と呼ばれている。
一度神事に参加すると半年ごとに、ご案内と人形(ひとがた)の紙が送られてきて、実際に大祓式に
参加しなくても、事前にその人形に家族の氏名と生年月日を書き込み、その人形で身体を撫で
息を3度吹きかけ罪・穢れを移すことで、その人形が身代りとなってお祓いを受けてくれるのだ。
「神頼みはしない」という人でも、ついつい気になるのが『お祓い』の存在。
師走に取材で訪れることなど、滅多にない機会なので、この式典に実際に参加をしてみた。
まずは受付にて、人形(ひとがた)の入った封筒を受け取る。家族全員の名前と生年月日を記載し、
体を撫で(悪いところが有ればそこを念入りに)、息を3度吹きかけ て祓い銭(お気持ち)と共に提出する。
この人形が身代わりとなって、罪や穢れを払い清めてくれるわけだ。
まず大祓式は境内社務所前にて斎行される。
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▲師走大祓式(写真提供:三嶋大社)
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祓い具(お祓いの道具)の1つである、切幣(きりぬさ)を祓い清める為に、神殿前に撒き散らす。
この切幣、幣(ぬさ)は大注連縄にも付けられる紙垂(しで) にもみられるギザギザの形を意味し、
「祓う」意味が有るそうだ。
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▲大祓詞(おおはらえことば)の奏上(写真提供:三嶋大社)
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大祓詞(おおはらえことば)が奏上される。この大祓詞には、八百万神(やおよろずのかみ )に願いを捧げ、
人々の罪、穢れを祓え清めることばが続く。
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お炊き上げするところもあるが、三嶋大社では「裂布(れっぷ)」「解縄(ときなわ)」の神事を通して
祓い清められたあと、人形は一度箱の中に納められる。(写真下)
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この神事、布と麻紐を実際に裂き、祓い清めるので、耳を済ませば「ビリビリ」という音が聞こえる。
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大祓式の後、本殿にて師走の神事が行われ、その後、『三嶋大社』境内にある祓所神社例祭へと向かう。
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(6月、12月)が、三嶋大社の大祓式と結びつけられているところから、三嶋大社との関係はお分かり頂けるであろう。
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▲「茅の輪」(ちのわ)くぐり(写真提供:三嶋大社)
ここで夏越しの大祓式(なごしのおおはらえしき)を紹介しておこう。
6月の「大祓」では、社務所前に芽草で作った「茅の輪(ちのわ)」が設けられる。この茅の輪を左回り、右回り、
左回りの順で3回くぐって、正月からの半年間の罪、穢れを祓い、無病息災を祈るそうだ。
夏迎えの神事として定着されているこちらも 覚えておきたい。
家の掃除をしたり、お風呂に入ったり、お世話になった恩返しをした時は、誰もが心まで洗浄された気分になる。
大きな器を持った人でも、知らぬ間に憎しみや怒り、不満など、罪や穢れが溜まり、受け入れられなくなった時、
年に2回空にしてリセットすると考えると分かりやすいかも知れない。
三嶋大社では大祓式終了後、大祓神札並びに、元旦早暁にご家族の安泰と繁栄を祈念した元旦神札を、
参加された方にお送りしている。
大祓はどなたでも参加が可能。ご希望の方には、案内書と人形が送られてくるので、下記連絡先までご一報を。
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、※この記事は2013年2月に公開しました。
大祓式に関するお問い合わせ先
『三嶋大社 祭儀(さいぎ)課』
〒411-0035 静岡県三島市大宮町2-1-5
電話番号 : 055-975-0172(代表)
受付時間:9:00〜17:00(年中無休)
http://www.mishimataisha.or.jp/