みなさん、こんにちは。
島田市で「機織り体験」をしてから、裁縫に目覚めたライターすずです。
かわいい布を発見すると買い溜めをしていますが、まだ何も作っていません。
何を作ろうかな~と考えてながら雑誌を見ていると、偶然おしゃれなバッグを発見。
畳屋さんで作っている縁(へり)バッグとは?まさか、あの縁のこと?
杉山製畳
真相を確かめるため、藤枝市にある『杉山製畳』へと行ってきました。
一見、普通の畳屋さんのようですが、奥の方にバッグのようなものが見えます。
お店の中に入ると、たくさんの縁がありました。
光にあたってキラキラと輝いています。畳の縁ってじっくり見るとキレイだな。
杉山さんご夫婦がお出迎えしてくれました。縁で作ったバッグが展示してありました。
「畳の仕事は主人がしていて、私は主に着物の仕立てをして、縁バッグを作っています。」とさえ子さん。
爽やかな青い着物。こんな着物を着て出かけてみたい。
なんて妄想してしまいましたが、今回の目的は縁で作ったバッグです。
「今は和裁の仕事が優先なので少ないのですが、秋のお祭り終了後には製作の予定です。」とさえ子さん。
縁の本当の使い方
畳の縁と何か。知らない方の為(?)に満志さんに縁の本当の使い方を見せてもらいました。
「本来、縁は畳表(たたみおもて)を止める為、装飾の為に使用します。」
現在の畳(上)と昔の畳(下)
「現在の畳は発泡ポリスチレンの板を木質ボードで挟んだタイプのもので、昔の畳は藁を強く圧縮して縫い止め、
厚さ5cm程度(標準的には5.5cm)の板状に加工していたんだよ。ちょっと持ってごらん。」と満志さんから、
畳を受け取り持ち比べてみると、昔の畳はずしーんと重い。か弱い女子には持ち上げられません。
「昔の畳は40㎝位の藁を5~6㎝まで圧縮しているから、とても重いんだよ。これだと30kgはあるかな。」
昔の畳屋さんって、今以上に力仕事だったんですね。
さて畳の豆知識を学んだところで、本題の縁バッグの作り方を見せて頂きました。
さえ子さんの作る縁バッグは裏地も持ち手も縁なんです。
裏地はよく見るタイプの茶色の縁。持ち手はワンコの肉球のデザインです。
カタカタカタッ
手際よく作業を進めていくさえ子さん。なぜ縁でバッグを作ろうと思ったんですか?
「和裁の仕事をしていたということもありますが、お店の宣伝の為ですね。今の時代、和室も少なくなっていますが、
畳替えするお宅も少なくなっています。畳替えしたお客様にプレゼントして、喜んでもらえたらと
作り始めたのがきかっけです。思いのほか評判がよかった為、今は販売もしています。」
「私も縁バッグを使っているんですよ。」と満志さんがマイバッグを見せてくれました。
「丈夫なところと、サイドのペンを挿せるポケットが気に入っています。」
サイドの古風な和柄と赤のボーダーのコラボレーション。昔ながらの柄がこんなにもオシャレに見えるなんて不思議。
満志さんと話をしていると「もうすぐ出来るよ~」とさえ子さん。
私が作ったら半日以上はかかるであろう作業があっという間です。あとは、表と裏地を縫い合わせて出来あがり。
縁バッグが出来上がりました。持ってみると軽いけど、持ち手の部分は硬くしっかりしています。
丈夫なのに、軽くて、かわいい3拍子揃ったバッグですね。
「縁のバックが店頭に並んだお陰で、お客さんも店に入りやすく親しみを持ってもらえるようになりました。
これからも皆さんには、和室や畳の良さを思い直し大切にしていって欲しいです。」とさえ子さん。
縁バッグ(1,500円~3,000円、縁やデザイン等により値段が変わります。)
昔ながらのシックなデザインの縁しか知らなかったけど、今は水玉や肉球などのキュートな柄がたくさんあって
驚きました。日本の歴史的なものが、新しい発想で違う形になっていくって面白い。
今度、我が家の畳を張り替える時は、縁のデザインにもこだわってみよう。
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、※この記事は2013年9月に公開しました
『杉山製畳』
所在地:藤枝市本郷114
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TEL:054-639-0637
定休日:不定休
営業時間:8:00~20:00
HP:http://www2.wbs.ne.jp/~ked-oa/t-koukoku.html
※畳の表替5,250円~、裏返し3,000円~
営業エリア:藤枝市、焼津市、島田市、岡部町、その他(静岡市・清水区の方もご相談下さい。)