みなさん富士市の名物『ようかんぱん』ご存知ですか?富士市民で知らない人はいないらしい!?
ようかんぱんは私の父の大好物。
「昔から好きだ。」という父。
えっ、そんな昔からあるパンなの?
ようかんぱんは静岡県で誕生したと言われています。
かつては静岡県東部の数件のパン屋さんで作られていましたが、
製造工程が複雑で手間と時間がかかる為、次第に作るところが減ってしまいました・・・
しかし、今でもようかんぱんを作り続けている工場があるんです。それも、県内でたったの1件!
富士市の『富士製パン』へワタクシ、ライターゆっきぃが行って参りました!
富士製パンは富士市を起点に業務用パン、菓子パン、調理パン、お菓子類を製造販売している会社です。
富士市、沼津市、静岡市の小中学校の給食のパンやごはんも供給しているのだそう。
先々代である加藤源治氏が昭和10年に山梨県南部町にて菓子製造業として富士製パンを創業。
その後、静岡県富士町(現富士市)に移り、現在に至ります。
富士製パンがようかんぱんの製造を始めたのは昭和33年(1956年)。
私が生まれるずっと前から食べられている、歴史あるパンなのですね。
広報の加藤せつさんにお話を伺います。
「私より、作業をする従業員メインでお願いします!」と、
加藤さんが見せてくれたのは富士製パンの年賀状。
従業員さんを大切にする富士製パン。
ようかんぱんやごはんの写真、写真をよく見ると、「こしらえた人」ということで、
パンを作った人、ごはんを炊いた人の名前が入っているんです。
毎年変わるデザインは加藤さんが企画監修しているのだそう。
年賀状のようかんぱんの写真を見ているだけでお腹が空いちゃう。
ようかんぱんの事をもっと深く知りたい!
さっそく工場内に潜入~!
白衣を着て粘着テープのついたコロコロで全身のホコリを取り、念入りに手を洗い、消毒をします。
工場の中へ入る為に必要な準備です。
機械でやるもんだとばかり思ってたワタシ。
実は、1つ1つ職人さんが丁寧に手作業で包んでいるんです。
▲包餡の職人技!
パン生地につぶあんをのせてから、あっという間に包餡完了!
リズミカルに包餡する手元に釘付け!
機械ではマネすることが出来ない繊細な作業なんです。
包餡作業を見せてくれた竹内さん。
鉄板の上には大きさや形の揃ったパン生地が並べられています。
ヘラを持ってニッコリとポーズ!ありがとうございました。
▲ワインのコルク?・・・ではありません。
次に登場したのは「ぼっちょ」と呼ばれるワインのコルク大の木の杭。
長い棒を切ってやすりで削り手作りしているのだそう。
この「ぼっちょ」は一体何に使うのだろう?
「ぼっちょ」はこの謎の作業で使います。
何のために刺すのかって?それは後ほど明らかになりますよ~。
作業をする職人さんの手の動きに合わせ、ぼっちょ、ぼっちょ、ぼっちょってブツブツ唱えるワタシ・・・。
ぼっちょが浅すぎてもダメ、生地を貫通させてもいけません。
「皮を1枚くらい残す感覚ね!」と加藤さん。
絶妙な力加減が必要な作業なのです。
ぼっちょを刺したままパンはオーブンの中へ。
▲ふっくらこんがり~!
焼き上がったパンからぼっちょを外すと・・・
穴あき(貫通してない)小倉あんぱんが完成しました~!
ぼっちょは穴を作るために使われる道具だったのね。
このまま食べてもおいしそうだけど我慢我慢!
銅鍋に入っているのは、つやつやでなめらかな液体ようかん。重さ約19㎏。
和菓子を作る材料と同じ材料で作られているこだわりのようかんなのです。(製法はひ・み・つ)
ようかんを温めながらの作業の為、火加減と水分量を見ながら作業しなければいけません。
ようかんが固まってしまうと、パンにくっつかなくなってしまうんだって。目が離せないね!
さっそく焼きたてフワフワの穴あき小倉あんぱんが運ばれてきましたよ~。
この液体ようかんをハケで塗るのか?それとも機械で付けるのか?
実は・・・
1つ1つ手に持ち、液体ようかんに穴あき小倉あんぱんを半分くらいまで浸し、
液体ようかんを付けた時に出来る空気のつぶを、1つ1つ金串を使い潰します。
この作業がないと、空気が入ったところが白く残ってしまうので、
つやつやなめらかな見た目のようかんぱんを作る為に重要な作業なのです。
▲見事なようかんさばきに注目!
100個でも1,000個でも3,000個でも個数に関係なく、手作業でしか出せない食感にこだわって作業します。
液体ようかんに浸した後、素早くクルッとパンをひっくり返す早業に驚きました!
ワタシモヤッテミタイ!(心の声)
「1個やってみる?」
「楽しそう!」とようかん付け作業に挑戦。(やったー!)
しかし、見るのとやるのでは大違い!
職人さんの技が必要な作業なのです。残念な仕上がりの為遠目からご覧ください・・・。
ようかんを冷まし、穴の開いた部分にホイップクリームを絞ります。
このホイップクリームは、複数のホイップクリーム候補の中から、従業員さん達が試食を行い選ばれた、こだわりのホイップクリームなんだって。
包装した時、ビニールにホイップクリームが付かないように絞るのがポイント。
これで、ようかんぱんの完成です!
出来たてのようかんぱんをいただきました。
半分に割り、真ん中のホイップクリームを少しずつ付けながら食べるのがツウの食べ方なのだそうです。
こりゃ初耳だ。ワタシも実践!
ようかんとフカフカのパン。2つの食感が楽しいね♪
ホイップクリームがちょうどいい甘さなので、主張しすぎることなく小倉あんぱんとようかんによく合います。
それぞれがそれぞれを引き立てあっていてとっても美味しいよ。
「この味は絶対にマネ出来ないと思いますよ。」と加藤さんが言っていたのを思い出しました。
そのままかぶりついてもよし、私のようにツウな食べ方をしてもよし、ようかんを剥がして食べてもよし、
食べ方は人それぞれ!3つの味が同時にも別々にも味わえちゃうなんて、うれしすぎるぜっ!ようかんぱん!
包装する前に金串を使い、ようかんぱんの最終チェックをします。
最高の仕上がりでお客さんへ届くようにと、どんな小さな焦げも見落としません。
▲ようかんぱんが流れてる~!
厳しい最終チェックをクリアしたようかんぱんだけが流れることのできるコンベア。
ようかんぱんのツヤが眩しいぜっ!ようかんぱんはコンベアに乗った順番に包装されます。
包装されたようかんぱんは、回転天板と呼ばれる回転するステージに乗ります。
クルクル流れてくるようかんぱんを手に取り、空気の抜けは無いか、裏面の表示シールがきちんと付いているかを確認
する寺沢さん。みなさんの手元に届く準備が整いました!
「従業員達は皆ようかんぱんのお世話係みたいでしょ?」と笑う加藤さん。
富士製パンの商品の中で一番手のかかるパン!それがようかんぱんです。
世話が焼ける娘ほど可愛いっていうもんね♪
富士製パンにとって、ようかんぱんは手塩にかけて育てた大事な看板娘のような商品なのです!
▲焼きたてパンがずらりと並びます
富士製パンの敷地内に併設されている直営店『粉とたまごの工房』へおじゃましました。
大切に育てた娘が嫁に行く現場といっても過言ではないでしょう!
毎週木曜日と金曜日のみ営業しているお店です。
焼き立てパンをそのままお届けしたい、美味しいパンを食べてもらいたい、
また、製造部の作りたいパンのお披露目の場となっているのでココでしか買えない
パンもあるんだって♪焼き立てパンのいい香り~!
▲ようかんぱん 売店特価 1個168円(一般標準小売価格 189円 )※2014年2月時点
先程出来上がったばかりのようかんぱんを発見しましたよ~!
パッケージのようかんぱんだ三兄弟がとってもキュート♪秘かにファンも多いのでは・・・!?
ご当地パッケージやクイズ形式のもの、ようかんぱんだ3兄弟が仲良く並んだもの。
どれもかわいいから選ぶときに迷っちゃうね!
▲ようかんぱん3個セット 売店特価 540円(一般標準小売価格 630円)※2014年2月時点
持ち手の長さにまでこだわった袋はお米を入れる袋からインスパイアされたらしい。
お土産にいいね!
窓がついてて中が見えるから「ようかんぱんってなんだろう?」って思わず手に取ってしまうこと間違いなし。
袋の中には3種類のパッケージが1つずつ入っているよ。
ここで勝手に「仰天★図鑑」
ようかんぱんだ三兄弟はつぶあんちゃん、バニラ、ようかん太の3兄弟。
富士市の「蓼原ひみつ小学校」に通う小学生。
3兄弟を見分けるポイントは・・・ないそうです!
▲オープンと同時にたくさんのお客さんがご来店
「ようかんぱんを遠くから買いに来てくれる方もいらっしゃいます。今日も湘南からドライブがてら立ち寄って下さったお客さんがいましたよ。」とレジを打つ清水さん。
北海道から九州まで全国のファンから愛されるようかんぱんは、インターネットからでも買えるんです。
あっ!よく見ると2番目に並んでるオジサマの持っているトレイの中にはようかんぱんが!
「近所に住んでるけど、ようかんぱんを買うのは初めて。」とオジサマ。
~おまけ~
「こりゃうめー!」と自転車に乗って帰っていきました。
ようかんぱんは長い歴史があるだけでなく、食べた人を笑顔にするパンでもありました。
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、※この記事は2014年3月に公開しました
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『富士製パン株式会社』
所在地 富士市蓼原1178-3
TEL 0545-51-2128
URL http://www.youkanpan.com/top.html
※お取り寄せも出来ます。
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直営店『粉とたまごの工房』
所在地 同上
営業日 木曜日・金曜日
営業時間 11:30~15:30頃まで
(年末年始等の特別休日もございますので、お電話にてご確認下さい。)
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