洋館で羊羹(ようかん)を食べたい、ライターげんです。
・・・なんか、すみません。
ある日の取材帰り、熱海市街を歩いていると、ビルが立ち並ぶ中に趣のある建物を発見。
『常盤木羊羹店總本店(ときわぎようかんてんそうほんてん)』です。
気になったので、ちょっと寄ってみることに!
建物は昭和初期に、初代 前澤鶴吉が京都から宮大工を呼んで作ってもらったものなんだそうです。
夜になったらまた違った雰囲気になりそうですね!
店舗隣には落ち着いた感じの『和カフェ茶房 陣(さぼう じん)』が。
後で行ってみましょう!
「伝統は守っていくだけじゃいけない、昔からあるものをより深め、良いと思ったものはどんどん取り入れていく。」
がモットーの四代目、龍也さん。
「当店の羊羹をたくさんの人に食べて喜んでもらいたい。おいしいと自信を持ってオススメできる羊羹を
作っております。」と綾乃さん。
▲ 熱海ブランドにも認定された 鶴吉羊羹(橙) 1棹(さお)1,000円
初代の名前を商品名に使った『鶴吉羊羹(つるきちようかん)』は常盤木羊羹店のオススメ商品。
「当初は、本練り、栗、梅と3種類だけでしたが、今では抹茶、柚子、橙、2つの味が楽しめる紅白(せきびゃく)が
加わり、計7種類の味を楽しむことができますよ。」と綾乃さん。
熱海特産の橙(だいだい)を使った羊羹が、個人的には気になるところ。
「鶴吉羊羹は妥協を許さない、絶対に損はさせない、当店最高峰の羊羹です。」と自信を見せる龍也さん。
原材料を練るところから袋詰めまで、全て手作業!
季節ごとに細かく調整、配合をするため、機械で作ることはできないんだそうです。
「最近は特に、若い人達が羊羹というお菓子から離れてしまっています。色んな人達から羊羹だけじゃやっていけない
のではと言われ続けてきましたが、ウチは代々羊羹を作る店。羊羹屋が羊羹を作らないでどうするんだって
思っていました。だから、諦めたくなかったんです。」
既成概念にとらわれたくない、常に前進していきたいと考えている龍也さん。
様々な方法で羊羹をPRしています。
羊羹を入れるための紙袋も工夫の1つ。
龍也さんが自らデザインのベースを考え、知り合いのデザイナーと共同で作り上げました。
「ご年配の方は、漢字で書かれた面を外側に、若い方には英語で書かれた面を外側にしてもらえればオシャレ
になるんじゃないかと思ってデザインしました。お菓子を入れる袋も、少しでもカッコよくなればいいなと思います。」
▲ 落ち着いた雰囲気のカフェ
店に隣接している『和カフェ茶房 陣』は、常盤木羊羹店が運営しています。
もちろん、ここでも鶴吉羊羹を食べることができますよ!
お土産に持って帰ってもいいし、食べていってもいいわけですね。
熱海市特産の橙の果汁と皮を使って作られた「鶴吉羊羹(橙)」と「鶴吉羊羹(本練り)」、抹茶がセットになった
羊羹セットを注文。
「羊羹の固さが変わってきてしまうため、練り方と火加減には特に気を付けています。少しでも気に入らない感じに
なってしまったら、全てボツにしてしまうくらいです。」と龍也さん。
こだわりにこだわりぬいた羊羹と聞いて、食べるのが楽しみになってきました。
歯応えのある食感、口の中いっぱいに広がる、しつこくない甘さがおいしい!
橙の風味もしっかり感じることができます。
「地元の人達がどこかへウチの羊羹を持っていっておいしいよって紹介してもらえるようになれば嬉しいです。
羊羹店が作る羊羹なので、絶対美味しいですよ!」と綾乃さん。
「静岡の土産品と言えば、うなぎパイ、こっこ、そして鶴吉羊羹!そんな風に並べてもらえるようになるのが自分の
野望です。県内の誰もが知っている、県下ナンバー1の羊羹店にしていきたいですね!また、より良い羊羹を提供
できるよう、日々研究していますので、たぶん1年前の羊羹と今の羊羹を食べ比べても風味が違うんじゃないかなと
思いますよ。」と笑う龍也さん。
おいしい羊羹を作るために、ひたすら前向きな常盤木羊羹店。
綾乃さんによると、「花」に関わる羊羹を現在開発中とのこと。
どんな味が楽しめるようになるのか、今から楽しみですね!
※この記事は2014年1月に公開しました
『常盤木羊羹店總本店』
所在地 : 静岡県熱海市銀座町9-1
大きな地図で見る
TEL : 0557-81-4421
定休日 : 水曜日、木曜日
営業時間 : 10:00 ~ 18:00 (※ カフェのラストオーダーは17:30)
URL : http://tokiwagi-yohkanten.com/